Exitを目指す経営者は発想が違う

巧遅拙速という素晴らしい四字熟語がある。孫子に由来するらしい。

いくら上手でも遅いよりは、たとえ下手でも速いほうがいいということ

これは経営者として身にしみて感じる。必ずしも一次関数的に会社は伸びるものじゃない。勝ち筋を見出して、一気に勝ち切る。これがExitを最短で目指す経営者の発想の仕方。

勝ち筋を見出すまでは我慢我慢。で、見えたら一気にという戦い方だろう。

そして、幸いにも現在の市場では、その『一気に』は決してあなたがカネを持っていなくても実現できる。資金調達がしやすいのだこの流れはおそらくしばらく変わらない。なぜなら金融資産の受け皿が足りないからだ。カネ余りの世の中に感謝して、その余っている人の仲間入りするためにも、この状況を利用しない理由はない。

融資を受けるという選択をしたことのある人は一定割合でいるし、『お金を借りる』ということをネガティブに捉えることへの否定的な潮流ができてきた(これは不動産業界・金融業界の働きかけではあるが、、、)

ただ株式を活用した資金調達(=出資)を実施したことのある人はまだ相当マイノリティである。

もちろん通常の出口戦略のない企業が出資を受けることは基本的に避けた方がいい。意図があれば別だが。ただ、私のように会社をExit,売却、出口が見えている場合、出資は当然選択肢に入ってくる。

このお金があればこのくらいの会社になって、このくらいの価値が着くから明らかにリターンが出る、出資してくれ、ということを論理的に説明するだけだ。意外と難しくない。

蓋然性次第でその時点での株価が決まる。1年後、もう確実って言うなら、融資した際の金利に上乗せされるくらいのリターンしか得られない。IPO前の資金調達はそんなもんだ。1.5倍とかになれば御の字。

しかし、まだ何もない状態で、机上だけでいうなら、、、その出資したお金がなくなるリスクを織り込むために10倍20倍とリターンを求める。その代わり、ゼロになっても仕方ないと。

シンプルだ。シンプルなのにファイナンスに対する抵抗感から手を出せない人が多いことを私は憂う。その事業に自信があるなら大いに資金調達をすべきである。

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